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子どもたちの将来は・・・(子どもの口腔機能を考える。)

 昭和・平成・令和と時代が変化するにつれ、我々の「衣・食・住」も大きく変化してきたと思います。子どもたちも同様で、取り巻く環境の急激な変化したことにより、子どもたちの健康面にも多くの問題が起きています。
 歯科医院においては、長年にわたって取り組んできた齲蝕・歯周病などの感染症は、親御さんや歯科衛生士の指導のおかげで以前に比べ大幅な減少をしてきました。小学校の検診などに行っても齲蝕で困っているという方は、以前と比べると大幅な減少となっているのは周知の事実だと思います。
 齲蝕・歯肉炎が減少したことは良い事ですが、「口腔機能発達不全症」という異なる問題が出てきました。「口腔機能」は食べることを通した段階的な学習によって獲得されるものであり、口腔機能の発達のためには「食」や「遊び」といった日常生活への関与が重要です。
 「食」についてお話しすると、スイカの種飛ばしを行っても種を飛ばすことができず、種が真下に落ちてしまうという子どもが多いと言われています。その背景には、風船ガムを膨らませたりする機会がなかったり、風船を膨らますことも親御さんがやってしまうという事が挙げられます。これでは「口腔機能」を発達させることは難しいと思います。
 「遊び」とは、何を指すのでしょうか?「遊び」とは、にらめっこや口笛を吹くことを指します。昭和の時代であれば、このような遊びが流行ったと思いますが、平成を通り過ぎ令和の時代になった今の時代このような遊びをするのは、子どもも少し抵抗があるかもしれません。近年はcovid-19の影響でマスク生活を子どもの頃から行っています。この状況下で「口腔機能」を発達させるのは難しいかも知れません。
この「口腔機能発達不全症」は、齲蝕や歯周病と異なり患者である子どもはもとより保護者もほとんど気づいていない事が多いようです。
このような状況下では「口腔機能」を発達させることは難しいと考える方もいると思いますが、簡単に改善できると私は思っています。
改善策として、

1 子どもとおしゃべりを交わしながら食を楽しむこと

2 子どもに自主性を持たせて行動させること

3 子どもが失敗したら何が原因で失敗したか親子で一緒に考えてあげること

おしゃべりをすれば、喜怒哀楽も出たりすると思いますので、「遊び」に繋がるかもしれません。自主性を持たせれば、自分で考えますので、何が成功で何が失敗か考えるかもしれません。スイカのケースで言えば、種が真下に落ちてしまうという事は口をとがらせて飛ばす事ができなかったという事です。これらの問題点を子どもたちに、自主性を持たせて行動させ原因させた結果3ヶ月後には勢いよく息を吐き、上向きに種を飛ばす事ができた子どもが多数いたという事例もあります。それでも子どもが本当に困ったのであれば、大人が一緒に考えれば良いと思います。
結果的に子どもの成長を見守ることもできますし、子どもの笑顔の回数が増えれば私たち大人の心も癒やしてくれると思います。
 今回は、「口腔機能発達不全症」をテーマに書かせて頂きました。「口腔機能発達不全症」をテーマにしたのは、理由があります。最近、お母さん達からこのような質問をされることが多くなりました。「いつから子どもを歯科医院に通院させれば良いのか?」「子どもは、いつからフッ素を塗布してもらえば良いのか?」「齲蝕になる前に診てもらいたい。」これらの考えは間違っているとは思いませんが、私としては、その先を見越した行動を取るのが今後の歯科医師の役割ではないかと思っています。
私なりの考えを今後のブログで記載したいと思います。興味のある方がいましたら一読して頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

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