0~1歳児の口の中はどのように発達していくのか?歯科医院との関わりは?
歯が萌えていないこの時期は、歯科医院に来院される機会も多くはありません。
以前は歯が萌えてから歯科医院に来院すると考える方も多かったと思いますが、令和2年より歯が萌え始める前の赤ちゃんを対象とした評価を取り入れられることになりました。歯科において歯が萌える前からの指導が重要であるとの見解が厚生労働省より示されたためです。
もう少し深く調べてみると、乳幼児栄養調査により、0~2歳の乳幼児の保護者の74.1%が離乳食について何らかの困りごとを抱えていることが明らかとなりました。
さらに国としては、口腔機能発達不全症の対応として「離乳完了前」「離乳完了後」の2種類に分類しています。
今回は、私なりに0~1歳児の口の中はどのように発達していくのか?というタイトルで0~6ヶ月と6~12ヶ月で分けてまとめてみました。一読して頂けると幸いです。
0~6ヶ月ぐらいまでの時期は歯科医院に来院される可能性も少ないため、口の発達などを相談するには、妊産婦・育児の相談会などを利用すると良いかもしれません。歯科医院で出来ないことはないですが、歯科用ユニット(診療で座る椅子)というのは、赤ちゃんから見ると特殊な環境ですし、自治体の機関を利用する方が良いかもしれません。
下記に新発田市の妊産婦・育児の相談会のURLを添付しておきます。
保健師さんなどに教わりながら赤ちゃんの発育を促す育児支援、五感を刺激するさまざまな体験を教えてくれると思います。後に歯科で問題となる高口蓋や過蓋咬合、狭窄歯列や低位舌にならないためにも重要だと思います。
6~12ヶ月になると母乳から離乳食になります。離乳食になるということは、身体を大きくするための咀嚼のトレーニングをするということになります。
赤ちゃんにとって初めて食物を入れる行為で、乳児嚥下から成人嚥下への移行期でもありますので、とても軟らかい食べ物が中心となります。
この頃にスプーンで流し込める食事ではなく、手づかみ食べによる赤ちゃん主導の離乳食となれば、口唇や前歯を使用することにより、顎骨の成長を十分に促す事ができます。さらに舌をしっかり口蓋へ当てて飲み込む事の練習にもなります。また舌筋を含めた口腔周囲の筋肉を育てるため、スプーンで流し込む食事より、手づかみ食べによる離乳食の方が咀嚼のトレーニングになると思います。
上記の事で悩みがある方がいましたら新発田市では離乳食教室というのがあります。活用してみるのも有効かも知れません。こちらもURLを添付しておきます。
簡単ではありますが、0~6ヶ月までと6~12ヶ月に分けてまとめてみました。この時期でも子どもは色々と変化していきます。
近年、お口が空いている子どもたち(お口ぽかんの子どもたち)というのも最近よく言われていますが、6~12ヶ月の時期に咀嚼のトレーニングが見込めないと、この後の成長に大きく影響を与えることになると言われています。
もちろんこの時期は、口だけでなく身体全体も大きく発達し、体重は出生時の2~3倍になりますので、口の中ばかり気にしていられないかもしれませんが、子どもの発達において口はとても重要です。(子どもの発達において手と口はとても重要です。)
書いていくとキリがありませんが、上記のような事を意識するだけで、歯科との関わりを違った角度で見る事ができるのではないでしょうか。
妊産婦・育児の相談会など|新潟県新発田市公式ホームページ (shibata.lg.jp)
離乳食教室|新潟県新発田市公式ホームページ (shibata.lg.jp)
*口腔機能発達不全症:食べる機能・話す機能などが十分に発達していなく、自覚症状がないことが多い
*幼児嚥下:生まれた時から備わっている反射運動、おっぱいを飲む時の反射運動
*成人嚥下:離乳期以降に学習する運動